そろそろソロ曲

すば倉を推していたら干支が一周していたので、備忘がてら始めました。タイトルは2017年3月現在のきもち。

妄想歌謡劇「上を下へのジレッタ」観劇レポ

を見た話。

5/25のことなので記憶が薄れているし、そもそもあまりの脚本・演出の巧さにうまく文章でまとめられる気がしなくて、感想を書くつもりはなかったのだけれど、俺節についどうしても書きたくなった。そしてそれを書くのであれば、比較として書き記しておきたいなと思ったので、ジレッタについてもなんとかかんとか文章にしてみた。
なので近々俺節の方も感想書きたいところ。舞台上には確かにコージがいた。

舞台チケ運が激しくなくて(どれくらいかというといふおあ通り越して未定壱から連敗記録をずっと更新しっぱなし、直近だとマルベスでこちらもお声掛けいただいて救済された、蜘蛛女のキスは当日チャレンジも死亡)、今回も人さまの恩恵に与かりました。ありがとう友人たち。
去年から通算してエイタメにも恵まれなかったので、今年の初エイトさんは単独横山さんでした。麗しかったです。

思ったことを書いたのでいいことも悪いことも闇鍋。当たり前だけど感想は全て個人の見解。すべてまやかし、すべては虚構。

 

 

まずパンフでミュージカルじゃん!!!ってなった

ネタバレは極力避けて、パンフも買いはしたもののパラパラ〜……あれ?曲数多くね?と友人と顔を見合わせました。ミュージカルのパンフみたいだねって会話をしたのを覚えてます。
普通にびっくりした。そしてびっくりしてる間に開幕。

冒頭、横山さんの歌。このタイミングではボイトレの成果というほどのものは感じられなかった。ちょっと拍子抜け。
(ただ、コンサート然りでスロースターターなのは分かっていたので、そこまで残念には思わなかったというオタクの贔屓目。普段の舞台であれば主役級が…と感じていたと思うから、そこはジャニオタマジックと言う名の盲目。あんまり良くないと思うけど)

でも、この後からじわじわと上がっていくのが本当に素晴らしかったです。ボイトレ!すごい!
発声、声量、気迫と今までボーカルの陰に隠れて(甘んじていることが多かっ)た横山さんの歌声が、会場中に響くあの瞬間を体感できただけでチケット代以上の価値があると思ってしまった。
個人的にはあのがなるような歌い方を止めてただけでも十分なくらいだったんです。
声質的には山田にも匹敵する柔軟さがあるのに、ずっと勿体無いと思ってたんだ…ありがとうジレッタ……。

専門的なことはわからないけれど、横山さん背幅のわりには高音が出せるし、体格的な話をするなら声帯の長さを考慮するとそもそも低音も出る。……はず。
資質はあると思うんです。本当に。
なのにやれ下手だやれ苦手だ、そのくせトランペットとかいう新武器には初お披露目以降真摯に励んでいて、やればできることも努力家であることも誰より自分自身で証明してくるくせに歌に関してはいいでしょ?みたいな(※感想は個人のものです)態度が本当に気に食わなくて、やってよ!!!!!!ってずっとキレてたんですけど。すみません。

まさかここにきて、アラフォーにさしかかって、向上が見られるだなんて。最高。
ツアーで下がってたらまたキレ芸することになるから頼みますね、横山さん。(…。)

あと欲しいのは安定感だと思います。スロースターターなことも踏まえて、これは地力をあげるほかないかなと。でもペットの向上を見る限り、地道な努力というもの自体には不安はないんです。
こちとら不安なのは横山さんのやる気。モチベーション保てるといいなあ。息をつく間もなくジャムのリハ…と心配ではあるんだけれど、モチベーション維持で言えば最高の環境だとも思ってます。鬼畜なファンでごめん。

あとはしょこたん馬場徹、本仮屋さんが圧巻でしたね。ばーちょんはまあ…知ってたけど……、久々に見ると相変わらずのたまらんやばさだった……。安定感、存在感ともに相変わらずの逸材です。
ハマケンさんは基本別の壇上やら野外やらでお会いするから改めて感動した!ということはないのだけども、安定感より何より舞台上だとしょこたんと並んだサイズ感といい動きといい、全体的にコミカルで可愛いかったです。あとはしゃいでた竹中さん。入った日には横山さんに今日すごいっすね!って言われてました。かわいい。

他の面々とまとめてしまって申し訳ないけれど、横山さん以外の安定感があまりにも素晴らしいがゆえに、逆に浮いてしまっていた面も少し。
いやでも今思い返してもアンサンブルの方々のまとまりはすごかった。

日頃を知っているからこそ、横山さんのファンは感動したと思うけれど、他の方のファンはどうかな、と思ってしまった部分は正直あります。
でもだからこそ今後の横山裕に期待値も高い。だってファンだもの。

 

門前という男がはまり役だった

横山さんの演技は、役を自分に当てはめるタイプだと思っています。
なので基本的には一辺倒になりがちな印象が少々…。ただその中で、私的なだけでなく世間的に評価の上下があるのは、いわゆるハマリ役があるからかな?と。

で、そのはまり役と言うものを考えてみたわけですが、高慢で自意識過剰、天才肌を自覚していながらも少し迂闊で詰めの甘い、どこか人間的で嫌いにはなりきれないようなひと。
めっちゃ門前。案の定よく合ってました。

あと、これは好みの話かもしれないんですが、横山さんのそもそもの居住まいが手塚治虫ワールドに何かと出てくる悪役によく馴染むんですよ。野心家なのに非情にはなり切れない、かっこつけなのにうまくいかない。悪役としての側面も描かれるから、不思議と人間的な艶っぽさもある。
あれ?文字列だけ見たら結構そのまんま横山さんじゃない?みたいな。

今回、見事な演出で、極彩色のきらびやかな世界に再構築されたジレッタでしたが、その中で横山さんのモノクロの佇まいというのも圧巻の美しさでした……。36歳って何歳?
あと肉眼で表情の変化どころか汗が滴り落ちるところまで見えるような距離だったんですが、横山さんだけやけに輪郭ぼやけててあれ?発光してる?って思いました。

 

舞台装置について

上記で盛り上がりすぎて完全に逆転してしまったけれど、この感想を書くに至った本題はこっち。

妄想の世界と現実の世界の境目を錯乱させていく、と言う演出上、あくまで舞台の使い方が平面的。変な言い方だけど紙芝居のような。スライドで使うんですよ。
場面が代わる代わるに展開していく、欲しいタイミングで欲しい演出が来る、魅せるところは見せる、その分派手さの不要なところは取っ払う、とメリハリが完璧でした。それだけで十二分に成り立つので、奥行きや高さを大きく見せて使うってことはあまりなかった印象です。

妄想の世界に切り替わる瞬間も、投影とか小物とかそういう、小回りのきいた演出が全体に際立っていると感じました。アクセントのきかせ方が上手だなと。
曖昧さの表現のためなのかはわからないんですが、舞台上の変化があくまで地続きなんですよね。
(そして、だからなおのこと、ラストの舞台の奥行きを使う演出があまりに憎い……。)

進行自体はミュージカル調なんですが、こういうところでああそうかこれストプレだ…ってなりました。

 

脚本から演出、キャストまで、本当に最高の舞台でした。

基本的に映像作品として全舞台が残って欲しいと思っている人間ですが、今回に限ってはジレッタという設定上、残らないという事実が逆に面白いのかもしれないです。すべてまやかし、すべては虚構……。

 

 

 

あとすみません最後に一つだけ自慢。通路側の席で、真横を竹中さんが通ったんですけどめっっっっっちゃかっこよかった!